竹の紹介

なぜ竹素材が選ばれるのか?

持続可能性

持続可能性(サスティナビリティー)という言葉をご存知だろうか。
文明の利器を用いた活動が将来にわたって持続できるかどうか(wiki)、という意味であるが、現在一般的な木材をつくるために森林伐採することによって森林破壊、環境破壊へとつながり、その結果「地球温暖化」を促進させている。
従来の木材に使用されている木は、完全に再生されるまで30~50年かかる。
その間、木から生まれる酸素は少なり、木が収穫された場所での土壌流出量が多くなり、環境的に悪い影響を引き起こす。
それにくらべて竹は、地球上で最も速く成長する植物とされている。周辺環境に悪影響を与えることなく3~7年ごとに収穫することができる。
竹が大量に植えられれば、10年以内に地球温暖化の影響を完全に逆転させることができ、再生可能な食料源、建材、侵食防止源を提供できると考えられている。
つまり竹は高い持続可能性を持つ植物なのである。

強度

竹素材は多くの合金よりも高い引張強度を持ち、多くのコンクリート混合物より高い圧縮強度がある。
さらに竹は非常に高密度の繊維を持つので、製品に柔軟性を与え、折れることなく曲げることができる。
地震の際、竹林は避難をするのに非常に安全な場所であり、竹で作られた家屋は9.0の大きさの地震に耐えることが知られている。
また竹繊維はシリカ含有量が多く、材料がシロアリの影響を受ける事も少ない。

美しさ

竹の自然な美しさは心理的な落ち着きやリラックス効果を与える。建材や家具、スポーツ用品など、あらゆるデザインにユニークで素朴な感触を与える。
素材の個性を愉しみ、自然の美しさを見出す感性が日本の竹文化なのだろう。

孟宗竹と真竹

 モウソウチク(孟宗竹)は我が国の三大有用竹の一つで、直径25cm、高さ25mにもなる日本で最大の竹。別名江南竹、ワセ竹、モウソウダケ。しかし、日本原産ではなく、かつて中国から導入された外来種である。
 マダケ(真竹)はモウソウチク、ハチクとともにわが国における三大有用竹の一つに位置づけされている。マダケは孟宗竹よりも細く直径は最大で約15cmほどである。肉厚も小さいが、繊維が密で強度に優れている。日本の弓や剣道の竹刀に使われるのもこの竹である。

孟宗竹

孟宗竹

真竹

真竹

竹の成長

竹の子はその名の通り、タケの地下茎から生える若芽で、成長するとタケになります。竹やぶのタケはそれぞれ独立した樹木のように見えますが、1本の同じ地下茎からのびた枝のようなもので、竹やぶ全体を大きな1個体とみることもできます。
 タケは成長が非常に速いことで有名です。竹の子を1日放っておくと、次の日には数センチから数十センチのびていることも珍しくありません。のび盛りのタケでは1日に約12メートルという記録もあります。どうしてタケはこんなに速く成長できるのでしょうか。
 まず第一の理由として、竹の子は成長するための栄養をたくさんもっているという点が挙げられます。多くの植物は、自力で光合成を行い、栄養をつくりながら成長します。しかし、竹の子は周りの親竹から地下茎を通じて栄養をもらうことができます。その結果、あまり光が入らない竹林の林床でも、驚異的なスピードで成長することができるのです。
 もうひとつの理由は、タケの独特なからだのつくりにあります。多くの植物は茎の先端に成長点をもち(茎頂分裂組織)、ここで活発に細胞分裂を行って体をのばします。一方、タケはすべての節に帯状の分裂組織(成長帯)をもちます。そのため各々の節が同時に成長し、まるで提灯を広げるように、一気に背をのばすことができるのです。
 地面に顔を出す頃の竹の子には完全な節構造が備わっており、節の数は成竹になっても増えることはありません。このようなしくみにより、タケは他の植物よりもはるかに速く増殖・成長します。竹林の手入れを怠ると、周囲の森林にタケが侵入して植生を破壊することがあり、「竹害」として問題になっています。

竹の子の断面
竹の子
 

 伸び盛りのタケノコが、24時間でマダケが121cm、モウソウチクが119cm伸びたという記録があるように、全植物の中でも格段に成長が早く、竹の子として生まれてわずか1年で7?15メートルの高さまで成長します。その後は肉質や表皮の組織が成長し8?10年で一生を終えます。質や表皮部分の密度が製造に最も適した竹林は、3?5年生の竹で、炭焼にもこの竹を使います。

竹の構造と特徴

◆竹は表皮付近に繊維が集中している。成長が早く3年で利用可能、節は繊維が不連続、低環境負荷素材である。
◆表皮に近い繊維が密集した部分では、鉄の引張り強度(約35?40kg/mm2)に匹敵し、重量は鉄の約10分の1、アルミの約3分の1で、単位重量あたりの強度を比較すると鉄の約5倍?10倍にもなる。
◆茶筅やひご細工にみられるように熱可塑性に優れ、加工後の形状安定性も高い。

真竹(上)と孟宗竹(下)との繊維比較

真竹(上)と孟宗竹(下)との繊維比較

節は繊維が不連続

節は繊維が不連続

 

 竹は表皮付近に繊維が集中している。成長が早く3年で利用可能、節は繊維が不連続、低環境負荷素材である。
 表皮に近い繊維が密集した部分では、鉄の引張り強度(約35?40kg/mm2)に匹敵し、重量は鉄の約10分の1、アルミの約3分の1で、単位重量あたりの強度を比較すると鉄の約5倍?10倍にもなる。

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