竹シート素材の利用法


この竹シート素材は広範囲な構造物の材料として二次加工可能な竹素材を提供することを目的に開発されました。私たちの夢は、構造物の素材として未利用資源である竹の優れた特性を生かした高強度な竹シート材を開発して、竹の新しい需要を作り出すことに有ります。
展開分野としては、建築材料、家具材料、自動車の外板、自動車のフレーム、ボート、船舶、航空機等の構成材料として対象に挙げられます。
竹の特性として
●表皮近傍は、繊維が高密度であるため、無節の繊維では引張強度が350-400MPaに達する。これは、アルミより強く、ジュラルミンや鉄材と比べても遜色ありません。
●茶筅やひご細工に見られるように熱可塑性に優れ、加工後の形状安定性も高い。
●生長が樹木と比較して早く、3~5年で成竹となり、循環型資源として有望である。
竹は以上のような利点を持つが、利用を妨げる要因としては、
(1)大量利用が見込まれる工業的用途、
(2)竹棹を大量加工可能な機械装置、
(3)安定供給体制、以上が確立されていないことによる。
このシート素材は竹の持っている風合いを壊すことなく、竹そのものを利用しやすい形状に自動加工するものである為、構造・補強用材のみではなく、インテリア用途・デザイン用途等の表面材利用にも耐えうる新素材としての展開も考えられる。
竹の繊維方向の引張強度が高く、且つ、薄板状であるため、許容曲げ破壊ひずみが大きく、図5,6に示すように大きく曲げることが可能な材料である。また孟宗竹のみでなく、真竹の薄板合板についても同様な方法で製作して特許申請済みである。住宅部材、家具、スポーツ器材への利用を想定している。
家具への利用例

椅子

テーブル
スポーツ用品への応用例
竹シート素材の可能性を試験する為、フリーダイビング(素潜りを競技目的としたスポーツ)に使用するフィン(足ひれ)の試作を行った。素潜りの日本記録保持者等が試用して、履き心地、推進力などの試験した結果良好であった。従来カーボンFRPやプラスチック材などが使用されていたが、古くて新しいエコ材料として竹素材の新しい使用法が期待されている。

ダイビング用竹フィン

ダイビング用竹モノフィン
グライダーへの応用例
チームオーシャンマンは2007年度の鳥人間コンテスト(読売テレビ主催)滑空機部門フォーミュラークラスに参加し、151.3mを飛んで優勝を果たしその有用性を実証した。 強度部材に竹薄板合板を多用した事により軽くて強度のある機体を完成させることができ優勝に繋がった。

2007年度フォーミュラクラス優勝機

胴体桁の内部

2008年度フォーミュラクラス第4位

建築用構造材
建築用内外装材
家具用構造材・表面材
模型及び工作用のクラフト素材
自動車・電車・航空機・ボード等のフレーム構造材
自動車・電車・航空機・ボート等の内素材
スケートボード・サーフボード・スキー&スノーボード、ダイビング用フィンなど


以上の様な高強度木材としてカーボンファイバーやアルミ材料等の代用品としての利用価値まで視野に入れ考えております。